根管治療

根管治療とは、細菌に感染してしまった神経や歯質を完全に除去し、歯の根っこの病気を防ぐための治療です。

神経を取り除く(取り除いた)歯に対して行われます。
歯髄の中の組織を取り除き、消毒して無菌にした後封鎖します。

歯の神経が入っている部分を歯髄といいますが、ここには神経以外にも血管もある組織になっています。

歯の中に血管があるとは思っていない人がいるかもしれませんが(私がそうでした)、ちゃんと血管があり血が巡っているのです。

そのおかげで歯は成長したり、菌に対して抵抗力を持ったりできるそうです。

神経を取った歯が変色するのを見たことがある人も多いでしょう。

これは、神経と同時に血管などの組織が取り除かれたために、その歯に水分も栄養もいかなくなり、死んだ歯、いわば枯れた木のようになってしまったためです。

枯れ木をイメージすると分かりやすいと思いますが、一旦根っこからの水分や養分が絶たれた木は脆くなり、簡単に折れたり、ボロボロになってしまいます。

歯も全く同じです。

こうなるとその歯は非常に脆く、また細菌に対する抵抗力もなくなります。
細菌が少しでも残っていれば、その細菌は繁殖していくのみになってしまいます。

昔は痛みがあると簡単に神経を抜いてしまいましたが、最近は出来るだけ神経を抜かない方向になっているのも、神経を抜くことによるこういったデメリットがあることがよく認識されるようになったということがあると思います。

さて、神経を抜いた歯に細菌が残っていると、繁殖して歯を侵食したり、根っこの部分で炎症が起きて膿が出来たり、あごの骨に到達し顎の骨をも溶かしていきます。

顎の骨に菌が侵入して炎症がおきると、これがものすごい痛みとなります。
この世でもっとも痛いと表現した人もいるくらいの激痛になります。
(私も経験しています。一日中なにも出来ませんでした。食欲もゼロに。)

これは、神経を抜いた時にきちんとその部分清掃、消毒がされていなかったためおこる現象です。

根管治療はこういった症状を治す、防ぐための治療です。
とても精密で高い技術がいる治療なのです。

細菌に侵入を防ぐために細心の注意が必要となります。

唾液が触れただけでも細菌に感染してしまう可能性があるので、本来ならラバーダムと言われるシートで、処置する歯以外を覆い、唾液の侵入を防ぎ処置をしなければなりません。しかし、多くの歯科医院では行われていないようです。

それは、保険診療で行うと赤字になってしまうというような背景もあるようです。

しかし、細菌を完全に取り除き再び侵入することを防ぐには必要な処置です。
こういったことにも注意を払い行われてはじめて根管治療は成功するそうです。

ちなみに私が通っている口腔研クリニックでは、根管治療専用の診察室があり、そこではスリッパも履き替え、患者と治療するスタッフ以外の入室を制限し、スタッフの制服も普通のものと違い完全防備な状態です。できるだけ雑菌の侵入を防ぐためです。

また、診察台にはそれぞれレントゲンが取れる装置がついていて、その場でレントゲンが取れるようになっています。移動によって治療中の歯に細菌が感染するとうことが無いようにするためだと思います。


もし、神経を抜いた歯が痛いということがあったら、それは根管治療が失敗した可能性があります。こういった場合は根管治療のやり直しをしなければなりません。

私は、痛みはありませんでしたが、口腔研クリニックで以前に神経を抜いた歯はすべて根管治療をしなおしました。多くの歯科医院での根管治療は完全に菌を取り除けていない可能性が高いためです。

ちなみに口腔研クリニックでの根管治療の成功率は99％くらいだともらった書類に書いてありました。すごいと思います。私が他の医院でした根管治療は4本ありますが、そのうち一本は約10年たって細菌が顎の骨を溶かして一日中痛み止めを飲んでただ寝ているしか出来ないほどの猛烈な痛みとなって失敗が発覚しましたから。

根管治療の後は、半年、1年、2年と経過観察が必要だそうです。
失敗していれば、レントゲンを撮った時根っこの部分に影が映るそうです。(細菌により骨が吸収される(溶ける)から)
ちなみに、口腔研クリニックで初診でレントゲンを撮った時、10年位前に神経を取った歯の根っこにも怪しい影が映っていました。(激痛が生じたのは別の歯)

神経を抜いた歯は時間の経過と共に抜歯する可能性がとても高くなるので、できるだけ長持ちさせたいのであれば、根管治療の成功か否かがとても重要となるすです。

根管治療はきちっとした処置を行うためにはかなりの時間を要し、口腔研クリニックでは、毎回1時間ほどの治療が順調にいっても、４，５回受けることになります。(これは一本についてですので沢山あると相当の時間がかかります。)

それくらいしっかりやってやっと成功するというものだそうです。

神経を抜いた歯を出来るだけ長持ちさせたいなら、根管治療に力を入れている(専門にやっている所もあるみたい)ところに行くべきだと思います。

応援よろしくね♪

にほんブログ村

タグ：根管治療 口腔研クリニック